ハワイは楽園というイメージが多いことから、初めてハワイに来る方はホームレスの多さに驚かれるかもしれません。
私もハワイに来た当初はあまりの多さに驚きましたし、ホームレスという存在が怖くて避けてしまいました。
パンデミック以降、今まで以上に増えている印象があります。
この記事ではハワイにいるホームレスの人数や地域、原因、政府はどんな対策を取っているのかなどお話しています。
ハワイに来るときの参考にしてくださいね。
ハワイのホームレスは全米で見ても多い!いったい何人いるの?
アメリカには”United States Interagency Council on Homelessness (USICH)”と言う、政府の機関があります。
そのUSICHが、2020年1月の調査によると、ハワイに住むホームレスは6,458人と発表しました。
ホームレスが多い島は、やはりオアフ島で、およそ69%の4,448人が、住む場所に困っています。
年々「減少傾向にある」と、ニュースでも発表されていますが、路上で生活している人数を、正確に把握するのは、少々無理な話かもしれません。
どうして?
ボランティア団体が、シェルターや路上に住むホームレスの数を、人的に数えるだけだから。しかも1日だけ。
数えているときに、たまたまいなかったら、その人の人数が入らないのか!
ローカルのニュースでも2022年は、オアフ島で確認されたホームレスの人数は4,000人を切った、と報道されていました。
数が確認しやすい、シェルターに入っていたホームレスが24%減少しているから、数の把握が難しくなっただけで、実際はもっといそうだね。
ハワイにホームレスが多い原因
私がハワイに来た当初、恥ずかしながらホームレスが多い原因は、その人が真面目に仕事をしていなかったからだと思っていました。
中にはそのような理由で、自ら進んでホームレスになった人もいますが、たいていの人の原因が生活費の高さと賃金の低さです。
理由①家賃が高い
ハワイの建物は、古いものが多くて、築50年レベルのコンドミニアム(日本で言うマンション)がゴロゴロあります。
ただ、古くても高い。
家賃で収入の半分以上は消えていきます。
日本人が仕事をしやすい、ワイキキや、アラモアナエリアの1ルームの家賃は月2,000ドルが平均です。
良く『家賃は収入の30%以内』と言われますが、月14,000ドルももらえる仕事なんて、一般的な人が就けるはずありません。
実際、給料を上げるようにマリオット系列のホテルで2018年にストライキがありました。
ワイキキの4つのシャラトンホテルズで、ロイヤルハワイアンホテル・コンシェルジュ外注に対し反対のデモ実施中! 雇う側の意見も雇われる側の反論も良く理解出来るけど、ホテルに携わる者が、ホテルの目の前でお客様が見える場所であえてデモする事って、やっぱり何かが欠けているのだと思います…。 pic.twitter.com/T5W0CsxN5E
— ホテルマン イン ハワイ (@hotelman_hawaii) January 27, 2018
一流のホテルで勤務していても、仕事を掛け持ちしなければ、家族を養っていけないのが現状です。
私もフルタイムで働いていますが、税金を引かれると手取りで1,200ドルです。
交通費を支給してもらったり、住宅補助があったりなどはありませんので、もし1人暮らしだったらと思うとゾッとします。
探せばもっと安い物件はあるのですが、治安が悪いですし、学区も良くありません。
同じ職場の方も、ワイキキに住んでいるのですが、5人家族だけど1ルームで暮らしていると言っていました。
何で物件がこんなに高いの?
世界中のお金持ちが、別荘や、投資用に、ハワイの物件を買い占めるからなの。
実際、その土地に住んでいる人が、家を買えないことが問題になっています。
日本でも、海外の人が日本の土地を、投資先として購入し始めているから、同じ現象が起きるかもしれません。
理由②予期せぬことが起きた
ホームレスになってしまう原因は、家賃が高いだけではありません。
- 職を失って家賃が払えなくなる
- 病気をして仕事ができない
- 裁判に負けて財産を没収された
- 家庭内暴力の被害にあっていて、頼れる親戚もいない
など、予期せぬことが起きてホームレスになる方もいます。
実際、新型コロナウィルスの影響でお店が潰れて、解雇された人が多くいます。
まだ集計されていませんので感覚的なことしか話せませんが、ホームレスは去年と比べて相当な数になると思っています。
先ほど紹介したとおり、集計上では、シェルターに入っていたホームレスが減少しているので、パンデミック前よりは『減少』とありますが、ワイキキや、アラモアナで散歩をしていると、以前より多くなったと感じます。
コロナの前ですが、家の近くで、”She had a better lawyer(奥さんの方がいい弁護士を雇って居た)”と、段ボールに書いてあるものを揚げて、お金をカンパしてもらっている人がいました。
離婚の裁判に負けて、財産のほとんどを失ってしまったのでしょう。
また、私のローカルの友人の女性に、元夫にDV被害を受けていて、子供と自分を守るためにホームレスになって、シェルターに入った人がいます。
今、彼女は保育士として頑張っています。
理由③ビジネスホームレス
中には「ビジネスホームレス」と呼ばれるホームレスもいます。
税金などから逃れるために、自分から望んでホームレスになる人たちのことです。
ハワイは外にいても、凍えてしまうこともありませんし、ビーチにはシャワーもあります。
誰でも使えるトイレも、公園やビーチに行けば使えます。
食事もレストランが市内に溢れていますので、ホームレスにとっても住みやすい環境なのでしょうね。
「ハワイのゴミと引き換えに、本土のホームレスを受け入れている」なんて噂があるくらいです。(真実なのかもしれませんが。)
ハワイ政府のホームレス対策
観光業が要のハワイにとって、ホームレスがたくさんいるということは良いことではありません。
観光客が離れていかないように、政府は巨額な資金を投資してホームレスの対策がされています。
過去には130万ドル(約1億5千万円)もの税金を使って、ホームレスのシェルター(一時的に住むことができる施設)を充実させたり、仕事ができるように支援をしたり、ホームレスから脱却できるように手を差し伸べています。
政府以外にもボランティア団体が食事を用意したり、住む場所を与えたり、農家と提携して働ける場所を提供したりなど支援をしています。
最近ではホノルルの警察官がホームレスの方に靴をプレゼントしていました。
A homeless man needed new shoes to start work. An HPD officer took care of it https://t.co/pyMtbJy65h #HNN
— Hawaii News Now (@HawaiiNewsNow) October 21, 2020
ここまで資金を投入して、手厚く支援していますが、まだまだ支援を受けられていないホームレスはたくさんいます。
以前、日本の方のブログで「ハワイには良いホームレスと悪いホームレスがいる。良いホームレスはシェルターに入っていて、悪いホームレスは路上で生活している」という記事を見つけました。
一概にはそうとは言えません。
シェルターの数が限られているからです。
もちろん、薬やアルコール依存などの理由で、自らシェルターに入らないことを望んでいる「悪いホームレス」もいますが、シェルターに入りたくても入れない方が路上にいるのも事実です。
なので、もし路上で生活しているホームレスを見かけても、ジロジロ見ないであげて下さい。
ただ、奇声や大声をあげているホームレスがいたら、中毒者の可能性があるので、近くを通らないように迂回する方が賢明です。
もしホームレスに声をかけられたら
もし旅行中に、ホームレスに声をかけられたらどうすればいい?
じゃあ、私が実践している対応を3つと、対策1つを紹介するね。
パンデミック前は、ほどんど声をかけられませんでした。
ただ最近は、声をかけられる頻度が増えてきました。
その時どうしたらいいのか、また、声をかけられにくくするにはどうしたらいいのかを、最後にお話したいと思います。
普通に話して対応する
まず、ハワイにいる全てのホームレスが『怖くて危険な人』な訳ではありません。
私自身、「大量のハチがいるから気を付けて」と声をかけられたことがあります。
あからさまに避けたり、イヤな顔をすると、せっかく親切で教えてくれたのに、失礼ですよね。
「忠告したからカネよこせ」なんて言われないので、このような場合は“Thank you.”など、普段通りに対応すれば大丈夫です。
ただ、同じくらいの確率でお金を請求されることもあります。
自分の周りに人がいる時は、”Sorry, I don’t have any.(すみません、ありません。)”と言って断ります。
人によっては、暴言を吐いてきますが、気にしないで大丈夫です。
英語を話せないふりをする
もう1つは、英語を話せないふりをするです。
平日の朝、8時過ぎに、1人でアラモアナセンターで歩いていたら、目の前からちょっと目がうつろな男性が1人歩いてきました。
人気もなく、お店も閉まっているところがほとんど。
「声かけられたらイヤだな…。」と思って距離を少しとって、すれ違うことに成功しました。
良かったと、安心したところに、急に “Do you speak English?” と先ほどの男性から声をかけられました。
ビックリしすぎて、気が付いたら、こんな顔をしながら「え、何!?」と言っていました。
『じゃあいいや』と言った様子で、その男性はいなくなりました。
人によっては、逆上して攻撃してくる人もいるので、人通りがない場所や、相手が明らかに苛立っている場合はやめた方が良いです。
ポケットに20ドル忍ばせておく
明らかに、危害を加えそうな人と、人通りのない場所で出会ってしまったときは、どうしたらいいの?
その時は、お金を渡してしまうのが良いです。
ローカルの友だちの友だちが、「何も持っていない」と言ったら、殴られて、カバンを取られたことがあるそうです。
本当に何も持っていなかったのに、嘘をついていると、思われたのかもしれませんね。
「何も持っていない」と言えば、諦めてくれる人がほとんどだと思いますが、稀にこのような危険な人がいます。
その友達に聞いたら、そういう場合は、ポケットなど、すぐに取り出せる場所に20ドルを忍ばせておいて、渡して逃げるのが1番なんだそうです。
私も体験をしていないので、人づてに聞いた話ですみません。
私が実践している対策
ホームレスから、と言うよりは、危険な人から身を守るために、私が実践している対策は『人気(ひとけ)のある通りを、サングラスをして颯爽と歩く』です。
まず、人気のない通りは、絶対に歩きません。
初めて行く道も、事前に目的地までの行き方をシミュレーションして、キョロキョロ辺りを探しながら歩かないようにしています。
サングラスは紫外線対策以外に、自分の目線を隠すことができるので、必須アイテムです。
危険そうな人の横を通らなければいけない時、サングラスをかけていれば、相手の行動を確認しながら歩くことができます。
あまりフレームが大きすぎると、『バケーション感』が出てしまうので、ローカルに馴染むようなフレームのサングラスを使っています。
もしサングラスを持っていなかったら、ハワイ旅行を機に、考えてみるのもいいかもしれませんね。
まとめ
ハワイでホームレスがどのくらいいるのか、なんでそんなにホームレスがいるのか、政府はホームレスの対策をしているのかをお話させていただきました。
ハワイでの生活費はとても高いので、それが原因でホームレスになる人がほとんどなんですよね。
私も、もし結婚していなかったら、今の仕事だけでは収入が足りずに、仕事を掛け持ちしていたでしょう。
そして過労で体を壊して無職になり、家賃も払えない状況になる可能性は決して低くありません。
アメリカ系の会社であれば、仕事のパフォーマンスが悪かったり、病気などで長期的に仕事ができないと解雇されますし。
支援する人も多く、政府も大きな資金を投入していますが、まだまだ解消するのは難しい問題です。
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